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お知らせ

活躍する卒業生

高平慎士さん ー 小学4年生から24年間に渡る現役生活を振り返って – 競技人生の終わりと、感謝と学びを込めて

 

2017年ー 小学4年生から24年間に渡る現役生活の終わりを迎えました。それまで走り続けてこれたのは、人に恵まれた競技人生であったからに違いありません。そしてその人々の大切さを教えてくれた旭大高と当時の陸上部顧問であった斎藤登世彦先生に改めてこの場を借り感謝申し上げます。ありがとうございました。

高校時代を振り返ってみると、大きな不安と期待感をもって入学し、上級生がとても大人に感じたこと、校舎内の階段が多すぎて迷路みたいな学校だと思っていたこと、グランドの草むしりやチームメイトと汗を流しながら楽しくトレーニングしていた日々が懐かしいです。特に2002年8月5日、高校総体200mの優勝は今でも鮮明に思い返せる素晴らしい景色となりました。また、在学3年間で学んだ「感謝」「人脈」「自主性」はその後の人生においてもとても大切な基盤となっています。

高校卒業後はオリンピック出場という夢を追いかけ大学に進学。大学2年生で2004年アテネオリンピック出場。2回目の出場となった2008年の北京オリンピックでは4×100mリレーで銀メダルを獲得。そして2012年のロンドンオリンピック出場と3度のオリンピックを経験することができました。

追いかけ続けたオリンピックの舞台はもちろん素晴らしい景色で、あの場で感じた緊張や興奮はこれから先の人生においても二度と感じることは無いと断言してもよいかもしれません。

現在、私は株式会社富士通の陸上競技部コーチと日本代表の4×100mリレーのヘッドコーチを務めていて、アスリートが「成りたい自分、在りたい姿」を目指すためにより良い環境を提供できるよう日々活動しています。
自分自身がアスリートとして活動している時は自由に選択しながら色んなことに取り組めているつもりでいましたが、アスリートのサポートをしてみると様々な側面から様々な方々に支えられて「アスリート」が成り立っていることを改めて感じます。さらに学びを止めてはいけないというプレッシャーがアスリートの頃よりあるかもしれません。富士通陸上競技部のアスリートは世界の舞台で戦うこと、日本代表リレーチームはオリンピックや世界選手権で金メダルを獲得することが目標です。その目標のために私に何ができるのか?と自問自答を繰り返し、時には自分の無力さに落胆することもありますが「人が夢を叶える瞬間に立ち会える」という景色が私のやりがいとなっています。いつか世界の頂点に日本チームが立てるようこれからもサポート役として頑張ります。

 

 

今年度を持って旭川大学高等学校という校名が終わりを迎えると伺っています。とても寂しさを感じる一方で久しぶりに在学中の自分に再会できる良い機会を頂けると思いこの寄稿文の依頼をお受けしました。そして思い返してみると「大丈夫。旭大高で間違いないよ。」と中学3年生の自分に伝えたいくらい、たくさんの輝きに溢れた思い出がそこにはありました。高校3年間はあっという間ですが、その後の人生に様々な価値をもたらしてくれる濃密な時間になることは間違いないと思います。校名が変わっても未来の自分に寄り添える人が育つ学校であってほしいと願っております。

最後に寄稿文執筆の機会に感謝申し上げると共に、旭大高に関係するすべての方々に多くの幸が訪れることをお祈りしております。ありがとうございました。

高平 慎士(2003年 体育コース卒業)

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